We Get Requests
The Oscar Peterson Trio
ジャズを好きになるには訓練が必用です。たくさんジャズを聴き、ジャズに慣れないといけません。
ジャズに慣れるにはまず、ピアノトリオから入るのが一番の近道かもしれない。
ぼくたち日本人は、子供の頃からピアノの音を聴きながら育っているので、ピアノトリオのジャズには抵抗が少ないと思います。
オスカー・ピーターソンの「プリーズ・リクエスト」は、ピアノトリオのアルバムでも一際人気の高い名盤です。全曲スタンダードな曲で構成されているから、どこかで聴いたことのあるメロディーがあるかもしれない。
このアルバムが人気なのは、もちろん曲と演奏がとても素晴らしいからなんだけど、録音が素晴らしいというのも大きな理由です。
とにかく音が良い。
特にレイ・ブラウンのウッドベースの音が、生々しく録音されています。そうそう、ウッドベースこそがジャズなんだよなあ!と、ぼくはこのレコードを聴くたびに思います。
ぼくのフェイバリットはB面の1曲目「You Look Good To Me」。
キラキラしたピアノのイントロの後、レイ・ブラウンの温かくて素敵なベースソロが続き、ゆったりとしたリズムで曲が進む。
ジャケット写真のように、メンバー全員がニコニコ笑顔で、楽しそうに演奏している姿が音から伝わってきます。
そして次第に演奏は盛り上がっていき、いよいよサビに入るその瞬間、ドラムのエド・シグペンがハイハットを「シュッ!」と鳴らすんだけど、このシュッがもう絶妙なんですよ。
エドさん、よくぞあそこでシュッを入れてくださった(ぱちぱちぱち)。
ここで演奏は最高潮に達し、そのあとはまた静かにテーマへと戻りフィナーレを迎える。あーもう終わっちゃうのか、といつも感じます。
ぼくはクリスマスのシーズンになると、このアルバムが無性に聴きたくなります。
とても温かくてやさしい気持ちになれる、そんな素敵なジャズアルバムです。
We Get Requests V6-8608 A STEREO
- Oscar Peterson(p)
- Ray Brown(b)
- Ed Thigpen(ds)