Full House
Wes Montgomery
ジャズ初心者にとっての大きな障壁は、ズバリ管楽器の音でしょう。トランペットの音やサックスの音は、はじめのうちは耳障りに感じます。
これはもう繰り返し聴いて管楽器の音に慣れるしかないんだけど、それにはどうしても時間がかかりますよね。それならギターから入ろうぜ!ということで、このアルバムです。
ギターの音なら、みんな抵抗ないでしょ。
このアルバムでのウェス・モンゴメリーのギター演奏は、とにかくかっこよくてゴキゲンです。ロックミュージックのギターソロと、同じような感覚で聴けると思います。
ぼくもジャズ初心者の頃、これをよく聴きました。A面B面どちらも良い。
A面では特に「BLUE ‘N’ BOOGIE」がすばらしい。
このアルバムのハイライトのひとつ。疾走感があり、メンバー全員がぐっとヒトカタマリになって、実にスリリングな演奏を聴かせてくれます。
ジョニー・グリフィンのソロは見事です。
終盤で「テレレレー」を繰り返すところで、お客さんも「いぇーい」となり、そこからウェス・モンゴメリーのギター、ウィントン・ケリーのピアノと短くリレーをし、最後はドラムの短いソロを経て一気にクライマックスへと向かう。この締めの展開が、本当にカッコイイのだ。
B面もいいんだなあ。
COME RAIN OR COME SHINEは素敵で、いつ聴いてもちょっとせつない気持ちになります。
ポール・チェンバースのベースがね、とてもよく唄ってます。唄うウォーキング・ベースを弾かせたら、チェンバースの右に出る者はいません。
そしてラストのS.O.S.は、文句なしにかっこいいナンバー。
とにかく聴けばわかる。本当にかっこいいから。
ジャズに精通してくると「ああ、このメンバーならカッコよくなって当然だよな」とわかります。そう、メンバーが良いのです。
ピアノはウィントン・ケリー。ぼくはこの人のピアノが大好きなんだ。
Full House SMJ-6069 STEREO
- Wes Montgomery(Gt)
- Johnny Griffin(ts)
- Wynton Kelly(p)
- Paul Chambers(b)
- Jimmy Cobb(ds)