40歳になったらジャズを聴こう

2曲目「Ah-Leu-Cha」のマイルスとコルトレーンのユニゾンを聴け!ラウンドアバウトミッドナイトはモダンジャズの傑作

初心者におすすめのジャズ
マイルスデイビスのラウンドアバウトミッドナイト

ROUND ABOUT MIDNIGHT

Miles Davis

とても「ジャズ」を感じるアルバムです。ぼくたちが頭の中でぼんやりと思い描くジャズ像を、くっきりとカタチにして見せてくれる、そんなアルバムです。

1曲目「Round About Midnight」での有名な「てってーて、てってれーれ」のあれ、賛否両論のあれ、ぼくはあんまり好きじゃないかな。ちょっと大げさなアレンジに聴こえます。

そのせいもあってぼくはこのアルバム、2曲目以降が好きなんです。

2曲目の「Ah-Leu-Cha」は、チャーリー・パーカーの曲です。いきなりはじまるマイルスとコルトレーンのユニゾンがめちゃくちゃかっこいい。

合間のフィリー・ジョー・ジョーンズのドラムがすごく歌っています。歌うドラムっていうのはこういうことだね。フィリー・ジョーのドラムは曲中ずっとかっこいい。この人は本当に曲をイキイキさせるドラムを叩きます。

ピアノソロのあとでまたはじまるマイルスとコルトレーンのユニゾン、ああ、かっこいいなあ。そして歌う フィリー・ジョーのドラム。最期はスパンっと歯切れのいい終わり方。うん、完璧です。かっこいいジャズって、これのことですね。

もしぼくがジャズの寄せ集めアルバムを作るなら、この「Ah-Leu-Cha」は必ず入れたい。それぐらい好きです。

そしてついでに白状してしまうと、本家チャーリー・パーカーの演奏は聴いたことないんです。ずこーっ。やっぱりチャーリー・パーカーのもカッコイイのかな。いつか聴いてみたいです。

4曲目(B面1曲目)の「Bye Bye Blackbird」も、ラストの「Dear Old Stockholm」もすばらしい。

一時期のぼくは「Bye Bye Blackbird」のテーマを口笛でふくのがマイブームになっていました。とても素敵なメロディーです。

「Bye Bye Blackbird」や「Dear Old Stockholm」を聴くと、マイルスは徹底的に考えられた(事前に用意した?)演奏をして、逆にコルトレーンはその場でしぼりだした即興演奏をしたんだな、という風に感じます。

マイルス=演出家。コルトレーン=芸術家。こういう分類はあまりにも乱暴でしょうか。

この時期のコルトレーンは、まだ未熟だなんて言われるけど、「おれは自分にしか吹けないフレーズを吹くんだ」という強い意志を感じて、とても好感が持てます。本当に真面目だったんでしょう。真面目がいきすぎると、ちょっと困ったことになってしまう。それが晩年のコルトレーンの姿かもしれない。

ぼくの持ってるレコードは18APシリーズです。これは当時1800円という低価格で、マイルスの一連の作品を再発したシリーズです。低価格だったせいで音が悪いんじゃない?と思うかもしれませんが、これが実は結構いい音するんですよ。本当に。

レコマ君の連載でも、18APシリーズの意外な音の良さについて言及されています。中古レコード店で見つけた方、ぜひお試しください。

ROUND ABOUT MIDNIGHT 18AP 2052 MONO
マイルス・デイビスのラウンドアバウトミッドナイトのライナーノーツ

ROUND ABOUT MIDNIGHT 18AP 2052 MONO

  • Miles Davis(tp)
  • John Coltrane(ts)
  • Red Garland(p)
  • Paul Chambers(b)
  • Philly Joe Jones(ds)

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