HELEN MERRILL
HELEN MERRILL
ジャズの名盤特集があると必ず挙がるのがこの「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」。A面2曲目の「You’d Be So Nice To Come Home To」がとても有名です。たぶん聴くと「ああ、この曲ね」となります。
もちろんそれも素晴らしいんですが、ぼくはB面の3曲がとにかく好きで、このレコードをかける時はB面ばっかり聴いてしまいます。静かで、落ち着いていて、ヘレンメリルの歌声と演奏者たちの音楽に耳をすましていると、心がやすらぎます。
クリフォード・ブラウンはジャズを聴くうえで避けては通れない偉人ですが、彼のリーダー作を聴くよりも、むしろ脇役として参加しているアルバムを聴くほうが、彼の良さがわかるような気がします。
吹きすぎず、テクニックに走りすぎず、すばらしいトランペットの音色を聴かせてくれます。「Yesterdays」のジミージョーンズのピアノソロ(これも素晴らしい演奏です)の後に続く、クリフォード・ブラウンのソロは最高です。心が弱ってる時にこれを聴くと、確実にやられます。
こんな大人な音楽を、20代前半の人たちが演奏しているっていうのが信じられないんですよね。いったいどんな子供時代を過ごしてきたんだろう。
HELEN MERRILL EVER-1004(M)
- Helen Merrill(vo)
- Clifford Brown(tp)
- Jimmy Jones(p)
- Oscar Pettiford(b)
- Quincy Jones(arg)