ジャズマンは芸術家だ。同じ演奏は二度としない。毎回毎回、違ったアプローチを試みる。上手くいくこともあれば、いかないこともある。演奏のたびに襲ってくる巨大な重圧をかき消すために、ジャズマンの多くはアルコールやドラッグに手を染める。そしてボロボロになりながら、命を削りながら、毎晩一瞬のひらめきに賭ける。時に奇跡的な瞬間が生まれ、それを幸運にも録音できた時、後世に語り継がれる名盤が誕生する。ジャズマンが芸術家なら、ジャズは芸術音楽だ。芸術音楽を楽しめるようになるためには訓練が必用だ。ビギナーに適した良質なジャズを聴き、ジャズに慣れることが必用だ。ジャズは誰にでもわかるような生ぬるい音楽ではない。だからこそ大人の知的好奇心を刺激し、わかった先には至福の人生が待っている。さあ、40歳になったらジャズを聴こう。