Moanin
Art Blakey & The Jazz Messengers
これはとても有名なジャズアルバムで、タイトルトラックは誰もが一度は耳にしているのではないでしょうか。
はじめに断っておくと、ぼくが好きなのは1曲目のタイトルトラック「Moanin」と、ラストの「Come Rain or Come Shine」の2曲だけです。他は正直イマイチです。
それでもこのアルバムをジャズ初心者にお勧めするのは、Moaninという強力な曲があるから。ぼくが懸命にジャズを好きになろうと努力していた時、このMoaninという曲のおかげで、これまで固く閉ざされていたジャズへの扉がぱあーんと開けたのです。
Moaninを繰り返し聴いていると、いつのまにかジャズがしっくりくるようになり、やがてMoaninのあの印象的なイントロ(NHKの某番組のテーマとしても使われました)、リー・モーガンの素晴らしいソロ、そして一度演奏をクールダウンしてから徐々に音量を上げていくクライマックスを聴きながら、ぼくは涙すら浮かべていました。ああ、やっとわかったぞ、と。
今でもMoaninのイントロを聴くと、ジャズが「わかった」あの瞬間が思い出されて、なんともいえないセンチメンタルな気持ちになるのです。
Moanin BST-84003 Stereo
- Art Blakey(ds)
- Lee Morgan(tp)
- Benny Golson(ts)
- Bobby Timmons(p)
- Jymie Merritt(b)